センスの磨き方




どうも、橋本(@Abhachi_Graphic)です。

まずはじめに、こんなタイトルの記事を書くと「僕にはセンスがあるのでその磨き方を教えてあげましょう」という意味に捉えられるかもしれませんが決してそういう意図はありません。

むしろ僕はファッションに無頓着で俗に言う(才能という意味での)センスは持ち合わせていません。だからこそセンスとは何ぞやと思って調べたことを共有するためにこの記事を書きました。

 

センスって一体なんなの?

まず「センスとは一体なんなのか」という疑問を紐解きたいと思います。ググると以下のような解釈が出てきました。

 物事の感じや味わいを微妙な点まで悟る働き。感覚。また、それが具体的に表現されたもの。「文学的なセンスがある」「センスのよくない服装」「バッティングセンス」

 判断力。思慮。良識。「社会人としてのセンスを問われる」

なるほど、全然分かりません。

では一般的に「センスがいい」と言われるデザイナー目線ではどうなのでしょうか?僕が尊敬する3人のデザイナーの方々の著書からセンスに関する記述を引用してみます。

 

有馬トモユキさん「観察能力」

出勤中に窓の外から目にした街並みや、今日食べたお昼ご飯のこと、週末に見た映画や、書店で見かけて手に取ってみたベストセラー小説のこと・・・。本当に、それらの体験の全てが、デザインのきっかけになり得るのです。

これが、センスの正体です。つまり、センスとは観察能力のことなのです。物事を見て、何を感じるか、ということです。あるいは”気づき”と言った方が分かりやすいでしょうか。

(「いいデザイナーは見ための良さから考えない」センスの正体 より)

 

カイシトモヤさん「無意識の記憶の蓄積」

結論から言うと、センスは「無意識の記憶の蓄積」です。記憶とは、別の言い方をすれば、「脳に蓄えられた情報」です。生まれてから見たり体験したりした情報が積み上げられ、デザインを考えるときに、それらが複合的な形で取り出されます。(「たのしごとデザイン論」センスの正体を知ろう より)

 

水野学さん「知識の集積」

センスとは知識の集積である。これが僕の考えです。(「センスは知識からはじまる」より)

 

「センス」とは一言で言うと・・

3名の考えを勝手に一言にまとめると、センスとは体験した気づきや情報が蓄積されたものとなるでしょうか。

そしてセンスの良さとは、センス(知識や気づき)をデザインやファッションなどの選択に落とし込むこと

つまり、デザインにおけるセンスは決して先天的なものや感覚的なものではないということです。

 

センスの磨き方

センスは知識なので、「センスを磨く」というのは「知識を増やし、より多くの気づきを体験する」ということに他なりません。ただ、知識を増やすと言っても「センス学入門」のような暗記するテキストがあるわけではありません。上記3冊の本を参考に、日常の中でできる「センスの磨き方」をまとめてみました。

 

「なぜそれを選んだの?」を言語化する

買い物で商品を選んだ時やふと気になった広告など「なぜその商品を選んだのか」「なぜその広告が気になったのか」を考えて言葉にすること。そうすることで自分が無意識に選択する要素が具体化されます。ポイントは具体的に言語化すること。「良い感じだったから選んだ」では良い気づきとは言えません。

 

王道と流行を分析する

長く世に出ている王道、そして現在流行っている流行を分析すること。王道は長い時間をかけて最適化されたプロセスがあります。流行は短期間でも多くの人に支持される理由があります。そして王道や流行に共通していることはないか検証してみると、気づきがあるかもしれません。

 

不便を見つける

街中で「これは不便。改善の余地がある」と感じたこともセンス(=気づき)の蓄積になります。改善するための画期的な方法を見つけようというわけではなく、物事に改善の余地が残っていることに気づくこと、そしてそれを蓄積することはとても有効です。

 

未知に飛び込む

自分が触れたことのないものにも意識的に触れていくことが大切です。例えばWebデザインのセンスを磨きたいからといって優れたデザインのWebページばかり見るのではなく、電車の中吊り広告・商品パッケージをはじめあらゆる未知の分野を見るようにすることです。

 

まとめ

センスは先天的なものでも感覚的なものでもなく、後天的に培うことができる知識や体験の蓄積です。

そしてセンスが良いというのは、その知識をもって物事を最適化する能力のことで(「センスは知識からはじまる」を参考)

 

今回参考にさせていただいた3冊の本はクリエイターに限らず、すべての人に読んでもらいたいほど面白い本です。普段目にする広告を作る一流デザイナーがどんなことを考えているか知れるので、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

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