『ナリワイをつくる 人生を盗まれない働き方』という本を読みました。
稼ぐ方法や会社に依存せず生きていく方法など『より強い生き方』が提唱されるようになったいま、コストをかけずに心身ともに健康で生きていく仕事について書かれた本書を知りました。
ナリワイとは?
ナリワイの主眼は、「自分でつくれて人間に無理がないサイズで、やれば頭と体が鍛えられて、ついでに仲間が増える仕事」という点にある。
かつての日本は自分で仕事を作り出していたといいます。ところが高度経済成長期に自分で仕事を生み出す人は減り、会社に勤めることが一般的になりました。
今の世の中はいかにして売り上げを上げるか、プレッシャーとストレスを自分に課して働く仕事があまりにも多いように感じます。
筆者は「働くことと生活の充実が一致し、心身ともに健康になる仕事でなければならない」と言います。
自分に必要な支出を見極め、消費に追われない生活を
現代では生きるために本当に必要な出費だけに絞られていません。
僕たちの周りにあるサービスや商品は、私たちに「いかにして消費させるか」を日夜考えています。
そうして支出が多くなった結果、生活を維持することが困難になります。支出を維持するのに精一杯だから、多くの人は収入が減ることに恐怖を感じるのです。もし収入が減るかもしれない道に進もうとしている人がいれば、「いかにして稼ぐか」ではなく、まずは自分の支出に無駄がないかを考えてみてはいかがでしょうか。
ナリワイは保険や制度に勝る
現代人は、まずやるべきことをやらずに、保険や制度に頼って安心してしまっている。それよりもまずやることは、自分の意志でなるべく病衣にならないようにすることだ。
筆者は安易に保険に入らなくてもいいと語っています。
いくら保険を掛けていても病気になることは嬉しいことじゃありません。病気になって保険が役立つことよりも、保険のコストを健康増進に費やして病気にすらならないことの方がよっぽど大切です。
ナリワイを通じて「困った時に頼れる仲間」を作る・いざというときにローコストで生活できる環境を整えておくといったことも一つの手で、その上で不安がある人は保険に入ればいいのです。
誰でもすぐできる、すぐに成果が出ることに踊らされない
ある程度ナリワイの形が見えている段階になると、まず一回は実行してみるのがてっとり早い。あれやこれや情報を集めて、マーケットがどうやらとか、先行事例がどうだとか考えても、実行がゼロだとなかなか決定打が打てない。
ナリワイを作ろうと思ったときに、効率や情報収集を重視してはいけません。まずはコストをかけない範囲で自分で挑戦し、それからリサーチしても遅くはありません。
個人が無料で使えるツール・ウェブサービスは圧倒的に充実している時代なので、宣伝や集客はある程度のところまでは個人でできるはずです。
「すぐできる」とか、「簡単に稼げる」といった文句に騙されず、自分で時間を掛けて育てていくことでナリワイを運営する体力が鍛えられます。
まとめ
- ナリワイとは、「自分でつくれて人間に無理がないサイズで、やれば頭と体が鍛えられて、ついでに仲間が増える仕事」
- 現代社会は必要以上の「消費のプレッシャー」が襲ってくるが本当に必要な支出を見極めることが大事
- ナリワイでストレスなく健康に生きることが何よりも備えになる
- ナリワイは時間をかけて鍛錬し、工夫すれば誰にでもできる
冒頭でも書いた通り、稼ぎ方やノウハウがもてはやされる世の中において、とても大切な考え方だと思いました。「バリバリ稼がなくてもいいから、ストレスなく生きたい」という方にはぜひ一度読んでみて欲しい一冊です。